「タンゴを踊ることは、
歩くことをたのしむこと。
あるくことが出来なければ、
タンゴは踊れない。」
街を歩いていると、
この巨匠のひとことが身体の筋肉に鳴り響く
腹の筋肉が しっかりと地面をとらえている
ゆっくりと上げた足のかかとからつま先まで気持ちが届き、
胸はといえば、青空に向かい主張している
そして 腕は首よりうしろへ うしろへ
まるで 身体ぜんたいが、各方面にひっぱられるようだ
頭がおかしくなったのか、
どこを歩いていても
頭の中までタンゴの音色が聞こえてくる
いや、幻の音ではなく、
ほんとうに街から流れてくる
店内から、車のラジオから、
そして人々の口笛までもが。
あぁ、空を飛びたい
飛ぶように、自由にあるきたい
あるくように おどりたい
おどるように あるきたい
つづく ~アルゼンチン編~